
いろいろな人から聞く幼少時の思い出は、楽しく美しい記憶より、家庭内の不和、憎しみ、抑圧などの記憶が強く残っているようです。きっと、強い不安や孤独感を味わったのでしょう。
そのような苦しい感情を和らげるために、人はその状況を解釈する考え方を作り出します。苦しい出来事はやむを得なかったことで、我慢するしかなかったとか、自分がもっと頑張れば上手くいったのにと、ひたすら自分に我慢と努力を強いる考え方を持っている人が多いのです。
家庭内とは言え、まるで戦争のような苦しい記憶に対し、自分を責める苦しい考えで生きて来たのです。これでは、その記憶から逃れることはできず、いつもどこかに罪悪感を抱いて生きることになります。その罪悪感を解消することが、ものごとの動機付けとなり、いつも相手や周囲優先で、自分の気持ちを後回しにしがちです。
つまり、心の中では、戦争は終わってないのです。
戦争を終わらせるには、自分はその過去の状況に何の責任も持っていないと分かることが必要です。
家族の一員としての自分、何より家族からの愛情が欲しかった自分、だからこそ責任を感じ罪悪感を持つのです。戦争状態の家庭には残念ながら愛情や家族の一体感は乏しく、憎しみや分断に支配されています。
そのような状況を生き延びてきた自分に目を向け、長年背負ってきた罪悪感を手放す努力をしましょう。罪悪感を手放す努力を始めることが、心の平和の第一歩です。