信頼ができるまで

この世界は、予測できないことで満ちています。いつ大災害が起きるか、いつ戦争に巻き込まれるか、いつ身近な人が亡くなるか、いつ病気になるかなど、日々どこかで不安な出来事が起きています。

不安に満ちた世界ですが、私たちは日々の暮らしに追われ、不安はどこかに棚上げしています。

もし、この棚上げができず、いつも不安が身近に迫っていると感じていたら、どうでしょう。常にビクビクと、周囲の状況をうかがい、その日その日を生きるのに精いっぱいとなるでしょう。

幼少時、家庭内で信頼感を形成できなかった場合、このように不安が身近にあると感じている人が多いものです。実際に家庭内は不安に満ちていたので、どうやって安心感を得るかが人生の課題となります。

人一倍努力をする、何事も完璧にこなそうとするなど、ひたすら自分に努力を強いて周囲の評価を得ると一瞬は安心しますが、すぐ不安が頭をもたげてまた努力を自分に課します。安心感を得るには周囲や自分を信頼することが必要ですが、信頼感を持った経験がないので、それができないのです。

安心感のない人生は辛いものです。いつも不安の解消に追われているので、人生を前向きに歩めず、うつになったり無気力になったりしがちです。

ここで、自分の人生の振り返ってみましょう。自分の人生に否定的な気持ちが強いので、後悔ばかり思い浮かぶでしょう。しかし、不安の中で精いっぱい生きてきた人生です。

よく生きてきた自分を認めることから始めましょう。一人ではなかなか難しいことも多いでしょう。できれば、一緒に認めてくれる人(専門家など)を探しましょう。