
私達の行動を支配しているのは理性?そうあって欲しいところですが、けっこう感情に左右されることが多いものです。
苦手な人が参加する集まりを避けたり、好き嫌いで物事を決めたりします。日常生活に支障がない程度のものなら、自分の性格傾向として容認できるでしょう。
しかし、いつも周囲の顔色が気になり、それを判断基準にして行動していると、自分の感情を抑え続けることになり、うつにつながりかねません。
なぜ周囲の顔色が気になるのでしょうか。そこには大きな不安が存在します。相手から見捨てられるのではないかという不安です。
相手から見捨てられると、自分の存在が無くなってしまうような深刻な不安。これは幼少時、全面的に依存する相手つまり最も大切な存在(親)に抱いた感情と思われます。
親が子供よりも自分の感情を優先させ、子供が思い通りにならないと不機嫌になったとしたら、子供は不安になります。見捨てられる不安です。
この不安が繰り返されると、その人の行動基準となってしまいます。あまり関係のない他人に対しても、相手に見捨てられないよう、相手の機嫌を優先して行動するのです。
いつも相手基準で自分を抑えるので、自分の感情がよく分からず、自分に自信が持てません。そこで、酒などの刺激を求めたり、自信を持とうと自分を鼓舞したとしても、一時的なものに終わります。心の中に根付いた見捨てられる不安に、支配され続けているのです。
この不安、つまり心の中にいる子どもの不安に向き合ってやることが必要です。子供にとって、見捨てられることがいかに不安か、時間をかけて分かってやらないといけないのです。