
うつの苦しみは長いものです。
うつは、自分の心が壊れ、底が抜けて空っぽになったような状態で、そのような心になった自分を責め、何とかもとの心に戻そうとします。
本当はかなり無理をして作っていた心の状態だったので、もとに戻すのではなく新たに作り直す方が良い場合が多いのですが、そのように前向きな考えになれないのも、うつの特徴です。
そもそも、うつになる場合、自分の感情を抑え周囲に合わせていることが多いので、次第に自分の感情が分からなくなります。感情が分からないと、空虚感に苛まされ、自信や決断力を失くし、うつ感情が増します。
自分を受け容れてもらえない、良い評価が得られないなど、思い通りにならない現実があると、自分を責め、うつになることも多いのです。
いったん、自分を追い詰める現実から離れ、自分を責めるだけの苦しい方法を手放すことが必要です。そして、苦しんできた自分をありのまま認めることが出来れば、空虚だった心が和らいできます。
ここで慌てて以前の自分に戻ろうとしないことです。叱咤激励して自分を動かすのではなく、自分を認め、自分のペースで動けるようになることが大事です。
自分を認めるとか、自分のペースとか言われても、ピンとこない人も多いでしょう。周囲と比較ばかりしたり、結果ばかり求めたり、自分を認めてもらえない環境にいたりすると、そうなり易いかもしれません。
うつからの回復には、自分に目を向け、自分のありのままを認めていく作業が必要なのです。このような心の作業を続けることが、心の成長につながります。以前は感じられなかった様々な感情が湧き、自然の美しさを感じたり、人や周りのものに愛情を覚えるようになります。