内なる憲法

憲法は国家の基本を定めた、一番大事な取り決めです。私達は、日々、憲法に守られ、憲法を守って生きています。

憲法は自然と心の中に内在化し、それに反することがあると、自動的に疑いを持ちます。例えば、国民主権です。私達のことは、国家が勝手に決めてはいけないのです。

このように、私達の心の中には、国家の憲法を始め、いろいろな取り決め、ルールが存在しています。その中には、実は自分自身で作ったものも多いのです。納得して作ったものもありますが、不安から自分を守るため作ったものもあります。

何かをして、ひどく叱られたり罰せられたりすると、恐怖や不安から、二度としないというルールを作ることがあるでしょう。納得よりも不安が先に立ってできたルールです。

幼い頃、親や家庭を安全基地にしないといけない時に、そこで安全や安心を得られないと、子供は自分なりのルールを作って何とか安全・安心を得ようとします。例えば、親の言う通りにしないと親が不機嫌になる場合、例え嫌なことでも、親の言う通り受け容れます。

このルールができると、他の場面でも、相手の機嫌を損ねないように、自分を抑えて相手の意向を受け容れるようになります。こうして、ものごとの基準が相手の機嫌になり、相手に喜んでもらうことが行動の目的になります。これではいつも自分を抑えるので、うつうつした気分が溜まり、飲酒などで紛らそうとしたり、意欲を失くしたりしていきます。

このように、不安から作ったルール(本人にとっては憲法にも値するもの)は、なかなか本人を幸せにしません。自分が主権者になるよう、ルール(憲法)を作り変えないといけないのです。自分が作ったルールですから、自分で変えられそうですが、動機となった不安を解決しないと変えることは困難です。

今まで向き合うことができなかった不安、誰にも言えず一人で抱え込んできた不安です。安心感のある、自分を肯定してくれる環境なら、不安と向き合えるかも知れません。

 

自分を責めることなく、その時の不安を思い出してみましょう。絶対的と思い込んでいた不安が、相手の都合によるものだったことが分かってきます。内なる憲法を自分主権に戻すための第一歩です。