古墳時代

古墳とは3世紀から7世紀くらいにかけて、日本の国が徐々にまとまって行った時代にたくさん作られた山形の大きな墓です。有名な前方後円墳を始め、前方後方墳、円墳、方墳などの形状があり、大小合わせて十万基以上あると言われています。

一番大きな古墳は、大阪府堺に残る、仁徳天皇陵と言われている大山古墳で、全長500メートル余りもあります。この大山古墳を作るには、大林組の試算で、一日2,000人を動員したとして、少なくとも158ヶ月かかったとされます。

大きなお墓と言えば連想されるのが、エジプトのピラミッドです。こちらはもっと昔、紀元前27世紀から紀元前16世紀くらいの間作られました。石造りの巨大な四角錐で、最大のピラミッドは高さ145メートルもあります。

ピラミッドは、以前は奴隷たちの強制労働で作られたと言われていましたが、現在では否定されています。定住した労働者たちが、技術者の指導のもと作ったようで、公共工事だったという説もあります。

古墳時代はどうだったのでしょう。

巨大古墳の先駆けと言われる箸墓古墳が3世紀半ばに大和に出現してから、日本の各地に古墳が建設されて行きました。その広がりの速さには驚きます。各地の支配者たちが、我も我もと競って作ったのでしょうか。

それにしても、大量の土や石を採取し、突き固めて積み上げ、定型の形を作って行くには、多くの労働者と技術者が必要だったはずです。そして地方では、大和を越えない規模で、同じ形の古墳が作られて行きました。

国の秩序が徐々にできつつあったこの時代、大きな古墳作りに参加することは、国を作る息吹を感じることだったかも知れません。少なくとも、戦で相争うより、古墳建設で競い合う方が健康的です。そのせいかどうか、古墳時代は大きな戦争がなかったようです。

 

古墳はたくさん作られましたが、その後は恭しく祀られることもあまりなかったようで、自然の成り行きのまま小山と化していったものがほとんどです。作ること自体に大きな意義があったのでしょうか。古代の人々の息吹とエネルギーを感じつつ、謎も多いのが古墳です。