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吞み込まれること

 心が不具合を起こす時、何かに呑み込まれて、自分を見失っていることが多いものです。

 

残業に次ぐ残業で、全く自分の時間が無くなった時、もはやいくら働いても終わらない仕事に呑み込まれ、そこから出ることが出来なくなったと感じられます。この状態になると、強い無力感や自己否定感に襲われます。ここで、うつ病を発症する人も多いでしょう。

このように、自分の力を越えたものに呑み込まれるのは怖いものです。

一見普通に見える二人の関係でも、一方の支配欲求が強く相手の自由を許さないことがあります。相手と自分の間の境界を無視して、相手を呑み込もうとしているのです。

こうなるともう一方は、呑み込まれて自由のない生活をするか、逃げ出すかしかありません。しばらくは自由のない生活に我慢していても、結局逃げ出すことがほとんどでしょう。呑み込まれた状態では、自分を抑えつけるしかないので、うまく逃げて離れるのが正解です。

常に周囲の目を気にして生きるのも、周囲に自ら呑み込まれていることになり、不自由な生き方です。

このように、呑み込んだり、呑み込まれたりが起こる時、その裏に解決していない問題や不安があります。

個人にしわ寄せする過大な残業の問題は、業務量と人員数が見合ってないということでしょう。他者を思い通りコントロールして呑み込もうとする人は、自分に対する不安や満たされない承認欲求を抱えていることがあります。呑み込まれる場合も、相手が自分の不安を解消してくれるという期待を抱えていることがあります。

呑み込まれそうになったら、どうするか?

 

気がついたら呑み込まれていることが多いのですが、とにかく極力距離を取ることが必要です。そして自分の苦しみに耳を傾け、相談できる場所を探しましょう。