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日々新たに

私達は、人間関係において、何となく相手のことが分かった気分で過ごしています。Aさんはこんな人、Bさんはこんな人と、分かっている範囲でのつき合いをしています。

しかし、何かのきっかけで話してみると、思いがけない面を持っていて見直したり、一緒に行動することで、急に分かり合えたりすることがあります。分かっているのはほんの一部で、かなり誤解していることも多いものです。

これは親子関係でも同じです。親が子供にとって良いと思うものだけを与え、良い子であることを求め、それ以外は認めないと、子供は親の認める自分だけ出して、それ以外の欲求は抑えるようになります。

親は子供の一面だけ見て良い子だと思いますが、子供のことを本当には分かっていません。分かった気分になってはいますが、日々表面的な部分でしか、子供と向き合っていないのです。こうして親は良い子という規範を押し付け、子供の様々な個性には目が行かず、良い子かそうでないかという単純な見方をするようになります。

子供は親にとって良い子である自分しか認められないので、それが社会に出ても自分の規範になります。それ以外の自分がよく分からないのです。そこで、周囲にアンテナを張り巡らし、周囲の評価に合う良い子であるよう努めます。

このように自ら作った良い子の枠の中でしか生きられないと、思い通りにならない事態では、どのように対処してよいか分かりません。

私達の日々は、同じことは起こらず、毎日が異なる出来事の積み重ねです。出来事に毎日遭遇し、時に悩み、考え、行動し、そのうちにある程度自分なりに対処できるようになるのです。良い子の看板で対処すると、結果にばかりとらわれ、事態に応じて対処することができません。

親は子供に良い子の看板を押し付けるのを止め、日々子供とつき合って行けば、毎日毎日新たな子供を発見することができます。子供も良い子の縛りをはずして、目の前のことに一生懸命取り組めば、自分が何をしたいのか分かってきます。

 

その時その場での関わりが大事なのです。日々新たな発見と成長です。