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気分と考え

私達は日々生きる中で、実に多くのことを考えています。朝起きて、どの服を着ようかと、早速考え始めます。日々、習慣になっている、洗面・歯磨きなどは、あまり考えることなく行動しているかも知れません。

ところで、その日急に雨が降ったりすると、出かける予定がある場合、憂うつな気分になります。外出をやめようかと考えたり、やはり予定通り用事を済ませようと考え直したりします。この時出て来た憂うつな気分が、出かけるか否か迷う考えにつながっています。

このように私達の考える大もとには、気分が横たわっていることが多いのです。

例えば、将来病気になったり、仕事や家族を失ったりして、人生がうまくいかないのではないかと悩んでいる人がいます。傍から見れば、現在そこそこ普通の生活を送っているのにも関わらず、悲観的な考えが次々出て来るのです。

実は、心の中にいつも不安な気分があり、それが何事もうまく行かないのではないかという考えにつながっています。この不安感を消そうとして、一生懸命仕事をするなど努力したとします。努力し集中している時は良いのですが、終わると不安な気分が再び出てきます。

このように、不安な気分に支配され、逃げられない状態は苦しいものです。不安な気分を消そうとするのではなく、不安を認めて向き合ってやらないと、いつまでも不安は消えません。

心から安心できる居場所がなく、いつも不安だった自分、不安を押し殺してきたため、自分が本当は何がしたいのか分からなくなって、ますます不安になっている自分がいます。目を外ばかりに向けないで、苦しんできた自分と向き合ってやりましょう。

ただし、この方向転換は一人では難しいので、適切な人の助けが必要です。

 

不安をないものにしようとすればするほど、不安に追い立てられるという悪循環。ここからまず、抜け出したいものです。