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不安と向き合う

私達の心を苛む不安は数々ありますね。

自分自身や愛する家族の病気、大きな災害、将来を左右するような試験など、不安の種は尽きないものです。これらは私達の外側からやってくるもので、防ぎようがありません。ありのまま受け止め、力いっぱい対処するしかないものです。

それとは別に、私達の心にずっと存在している不安があります。

過去に体験した苦しい体験、癒されることなく抱えてきた不安は、心の傷としてそのまま残っています。日頃は忘れていても、何かあると出て来て、自分や現実を悲観的に捉え、怖れから行動力も低下します。

周囲からは、消極的な人、恐がりで頼りにならない人と思われがちです。本人も、その不安が過去の体験から来ていると思わず、自分を責めて、自信を失くします。

このように、いつも何か不安で、自分を肯定できない人は、自分では気づいていない心の傷(トラウマ)を抱えている可能性があります。

例えば、身近な家族から否定されたり、関心を持たれなかったりすると、心は傷つき不安になります。しかし、相手が身近な家族の場合(特に親など)、相手の問題とは考えず、自分がダメだからそうされるのだと考え、傷つきや不安に蓋をすることが多いのです。

そのため、傷つきや不安はそのまま残って行きます。この不安が何か問題があるたびに、問題にくっつくように出てきます。

例えば、大事な人がちょっと遠くに行くだけで、事故に遭って帰って来ないのではないかと不安になって落ち着かないとかです。これは、相手を気遣ってとの不安というより、失ったり傷つくことの多かった自分が抱えて来た不安です。だから、相手が無事帰ってきても、今度は別のことが不安になります。

相手の問題ではなく、自分の抱えている不安の問題であると分かって行けば、不安と向き合っていくことができます。

 

なぜ自分はいつも自信がなくて不安なのか、なぜ人生が楽しくないのか、自分の謎を解き明かすために、この不安と向き合ってやることが必要なのです。