· 

押しつけられた不安

なぜか、自分にやたら厳しい(と言うより過酷な)発想をし、自己否定感、罪悪感が強い人がいます。一見、謙虚なように見えますが、このような考え方・感情は自分を追い詰め、不安にさせるので、いつも生き辛さを感じるものです。

自動的に湧いてくるこのような考え方・感情は、どのようにして止めたらいいか分からず厄介です。この状態が続くと、何かのきっかけで、うつ状態、うつ病につながります。

そこで、認知行動療法など、具体的な場面に絞り、考え方を見直し、感情を変えて行くという治療法がよく使われます。

ところで、この生き辛さにつながる考え方・感情は、本来自分のものではなく、周りから押しつけられた可能性があります。

親など、自分と強く関わる存在が、強い不安の中で生きていたとすれば、その不安は子供の心に入り込んで行きます。いったん不安が入り込むと、解消できないまま増え続け、先のような生き辛い考え方・感情を抱えるようになり、自分が何をしたいのかも分からなくなります。

本来の自分は、周囲と協調しながら、安心して自分らしい生き方をしたいものです。

そこで、押しつけられたものと、自分本来の感情・考えの区別をつけて行くことが必要です。押しつけられたものを区別することは、周囲の問題と自分の問題を分けることにつながります。

押しつけられ抱え込んでいた周囲の不安は、周囲に返しましょう。ずい分荷物が減り、身軽になります。

 

身軽になると、最初こそ戸惑いますが、自分が本来やりたいことが分かり、意欲が出て来るものです。