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うつうつ

うつは苦しいもの。やる気は出ないし、自信はなくなるし、気分は落ち込むし、焦りは強くなるし、眠れないし、何より辛いのは周囲に理解されないことです。気合が足りないとか、気分を変えたらいいとか、いろいろ言われますが、努力したくてもできない時に、さらに努力を強いられるのは辛いものです。

では、本人自身がうつを理解しているかというと、そうでもなくて、努力が足りないなどと原因を自分に求め、自分を責めていることが多いものです。理解のない周囲が見るように自分を見て、さらに苦しくなっているのです。

そこで見方を変えて、このようにうつを見るのはいかがでしょう?うつとは、荷物を整理せずに次々と溜め込み、ある日その重みで床が抜けたような事態であると。荷物とは、現実と向き合うことができず、解決していない諸々のもので、取りあえずそこに置いておくので溜まる一方になります。

例えば、家庭の事情で、ほとんど養育してもらえなかった場合、学校や社会で周囲に合わせて振る舞っても、自信がなくいつも不安かも知れません。それは自分の力では向き合えない現実であり、誰のサポートもなければ、取りあえず周囲に合わせて行動するか、先延ばしにするようになります。不安で自信のない行動や先延ばしの数々が、荷物のように溜まって行きます。いつかその重み・辛さで底が抜け、何もしたくなくなるかも知れません。

自分の課題が残っている場合もあります。

社会で生きて行くには、勉強にせよ仕事にせよ、周囲の指導を仰いだり助け合ったりしながら、自分で日々取り組むことが必要です。周囲との関係を作れなかったり、日々の努力をする習慣ができてなかったりすると、その場しのぎの対応を繰り返し、いつか底が抜けるものです。このような場合、底が抜けて初めて現実と直面し、自分と向き合い、成長するきっかけになる場合もあります。

 

うつから回復するには、自分がどんな荷物を溜めてしまっていたのか、見直して一つ一つ向き合って行くことが必要です。この根気と客観性の必要な作業は、一緒に荷物を見て考えてくれる人がいることで、何とか取り組めるものです。そうやって、初めて自分のうつを理解することができ、うつうつと続いた不安や孤独からの回復が始まります