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アイメッセージ

人と意志を通じ合うために発するメッセージ、でもそれが逆効果になることもあります。

特に相手にこうして欲しい、こうなって欲しいと願う時、どのように伝えたら効果的でしょうか?

まず命令形、「こうしろ」「こうなれ」は絶対的な上下関係や信頼関係がない限り難しいものです。次に説教型、「こうすべき」「こうあるべき」も先のような関係がない限り、正論を押し付けられるようで嫌がられます。

しかしこの二つ、あまり効果的でないのに日常的にはよく使われています。それは言う側が、自分が正しいと思い込んでいることが多いからです。

特に親子関係や、上司と部下、指導者と生徒など、上に立つ側は自分が正しい、相手は未熟で分かってないという前提で考えているのでしょう。

こうなると、相手には相手の考えや立場があるということは思い及びません。でも相手はリモコンで動くロボットではないのです。上意下達の命令で動く組織は別として、相手が心から納得しないと主体的に考え動いてもらうことは難しいでしょう。

そこで言い方を180度変えて、自分はこのように感じ考えている、あなたはどうだろう?と伝えてみたらどうでしょう?

これをアイメッセージと言います。アイは英語のI、つまり「私」です。私を主語に伝えることで、相手にも自分で感じ考え、表現するよう促すのです。

その結果、まだまだ未熟な意見が返ってくる場合もあるでしょうし、思いがけない立派な意見が語られる場合もあるでしょう。

このように率直にアイメッセージを交換し合って、互いを認めることができれば、その安心感の中で、アドバイスされた側はどの程度自分の意見を生かし、どの程度相手の意見を受け容れるか判断できます。

自分を思っての提案や、向上するためのヒントなどは大いに心に響くものです。また、自分で判断したことはやる気と責任が伴うので、前向きな行動につながります。

伝えた側も、精一杯伝えて後は相手に委ねるので、結果が思い通りにならないからと言ってやきもきすることはありません。そもそも、相手を思い通りすることは不可能ですから。

 

ところで、相手に「こうしろ」「こうあるべき」というのはユウ(You)メッセージと言います。時と場合により必要なこともありますが、自分の想いを相手に押し付けがちなので、日常的に使うと嫌がられやすいですね。