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自分の謎

 

 この世には謎が多いものです。その中でも一番謎が多いのは、自分かもしれません。なぜ自分は他の兄弟に比べて背が低いのか、なぜ運動神経が悪いのかなど謎だらけですが、受け入れざるを得ないことも多いですね。

 

しかし、やらないといけないことを先延ばししてしまう、つい相手に合わせてイエスと言ってしまう、思い通りにならないと怒りが湧いて来るなど、これではいけないと思いつつ繰り返すという謎は、何とかしないと苦しいものです。原因として、自分の意志が弱いのだとか、寛容さが足りないとか考え、自分を何とか変えようとしがちです。しかし一時的には変わるものの、気がついたらまた同じ繰り返しということが多いものです。謎の原因は自分の弱さだと思って、自分を責めるとこうなりやすいですね。

 

本当の謎は、自分そのものにあります。謎というくらいですから、簡単に分かるものではないのです。謎を解く方法は、まず自分の中にいる子供を探すことから始まります。子供時代はなつかしい思い出ではなく、今も自分の中に生きている子供がいて、いろいろなことを発信しています。

 

日々の生活が思い通りにならない時は、この子供の想いが大人の自分の想いとかけ離れているのです。子供はとても不安で寂しく、自信がないという気持ちを持っているかもしれません。しかし大人の自分は、意志が弱い、気合が足りないなどといって自分を責め、子供の気持ちを分かってやらないわけです。

 

子供時代のことを考えると、家庭の事情で構われることも少なく、自分の気持ちを受け止めてもらえず、しっかりしなければと自分の気持ちを抑えていたかもしれません。それが当たり前と思って育つと、自動的に自分の気持ちを抑えたり否定するようになり、自分の気持ちが分からなくなります。不安で寂しかった自分、誰にも受け止めてもらえなかった自分を受け止めてやらないと、子供はいつまでもその気持ちを発信し続けます。その結果、自分の意志と反した行動に悩まされることが続くのです。

 

とは言っても、自分が否定してきた子供、見失い迷子になった子供ですから、簡単に見つかるものではありません。また自分一人で探すのは難しいものです。あなたの話を否定せずじっくり耳を傾けてくれるセラピスト、同じ苦しみを分かち合える先達など、一緒に探してくれる安心できる人を見つけることが大切です。